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ゆっくり、いそがず


by shocos
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言葉

母に誘われて、映画『ボビー』を観てきました。

ラストシーンが素晴らしく胸に響く映画でした。
舞台はロバート・F・ケネディが暗殺されたアンバサダーホテル。
その場に居合わせた人々の群像劇。・・・と、前半から後半は正直いまいち。

ですが、ラストシーンのRFKの演説は、とても胸が締め付けられました。

もし、この人が大統領になっていたら、世界はどんなふうに変わっていただろう?


以下、ロバート・F・ケネディの演説です。


 今日は政治を語ることはしません。
 この機会にぜひ伝えたいことを簡単にお話します。
 アメリカでの少なくない暴力について。
 暴力は国の名誉を汚し、人々の命を奪います。
 それは人種に関係ありません。
 暴力の犠牲者は、黒人、白人、富者、貧者、若者、老人、有名、無名。
 何よりもまず、彼らは人間だと言うこと、誰かに愛され、必要とされた人間なのです。
 誰であろうと、どこで暮らそうと、どんな言葉であろうと、犠牲者となりえます。
 無分別な残虐行為に苦しむのです。
 それなのに、今なお、暴力は私たちのこの国で続いています。
 なぜでしょう?
 暴力は何を成し遂げたでしょう。
 何を創り出したでしょう。
 アメリカ人の命が、別のアメリカ人により、不必要に奪われる。
 それが法の名の下であろうと、法に背くものであろうと、
 一人、または集団によって、
 冷酷に計画して、または激情にかられて、
 暴力的攻撃によって、または応酬によって、
 一人の人間が苦労して、自分や子供のために織り上げた生活や人生を、暴力で引き裂く。
 暴力はすなわち、国家の品位を貶めることです。
 それなのに、私たちは暴力の増長を容認する。
 暴力は私たちの人間性や、文明社会を無視しているのに。
 私たちは力を誇る者や、力を行使する者を、容易に賛美する。
 自分の人生を築くためなら他者の夢さえ打ち砕く者を、私たちはあまりに容易に許してしまう。
 でもこれだけは確かです。
 暴力は暴力を生み、抑圧は報復を生みます。
 社会全体を浄化することによってしか、私たちの心から病巣を取り除けません。
 あなたが誰かに、人を憎み恐れると教えたり、
 その肌の色や信仰や考え方や行動によって劣っていると教えたり、
 あなたと異なる者があなたの自由を侵害し、仕事を奪い、家族を脅かすと教えれば、
 あなたもまた、他者に対して、同胞ではなく敵として映るのです、
 協調ではなく、力によって征服し、従属させ、支配すべき相手として。
 やがて私たちは同胞をよそ者として見るようになる。
 同じ場所にいながら共同体を分かち合わぬもの、
 同じ場所に暮らしながら同じ目標を持たぬものとして。
 共通するものは、恐れとお互いから遠ざかりたいという願望、
 考え方の違いを武力で解決しようという衝動だけ。

 地上での私たちの人生はあまりに短く、なすべき仕事はあまりに多いのです。
 これ以上、暴力を私たちの国ではびこらせないために。
 暴力は政策や決議では追放できません。
 私たちが一瞬でも思いだすことが大切なのです、
 共に暮らす人々は、皆、同胞であることを。
 彼らは私たちと同じように短い人生を生き、
 与えられた命を、私たちと同じように最後まで行き抜きたいと願っているのです。
 目的を持ち、幸せに満ち足りた、達成感のある人生を送ろうと。
 共通の運命を生きる絆は必ずや、
 共通の目的を持つ絆は必ずや、
 私たちに何かを教えてくれるはずです。
 必ずや、私たちは学ぶでしょう。
 周りの人々を仲間として見るようになるはずです。
 そして努力し始めるでしょう。
 お互いへの敵意をなくし、
 お互いの心の中で、
 再び同胞となるために。


                                             ロバート・F・ケネディ
by shocos | 2007-03-06 00:30